~ 猫の事務所 ~

人と犬や猫がパートナーとして生きていく社会(by 動植物愛好家)

安楽死について

ALSの患者さんが、安楽死を願い、

結果的に嘱託殺人となった事件。

 

本当に悲しい出来事ですが、

考えないといけないことがたくさんあります。

 

 

私がすぐに思い出したのは、

動物の安楽死についてです。

 

例えば馬。

骨折して動けなくなったら命に関わり、

安楽死につながることが多いという話。

 

市街地に現れた野生の動物を捕獲し、

安楽死という話。

 

そして、猫。

動物病院の知人から教えてもらったことです。

血液検査の結果、

白血病であるということがわかったら、

安楽死を願う飼い主さんがいるそうです。

 

また、TNR活動で捕獲した猫ちゃんの場合。

人懐っこい感じの子や、弱弱しい感じの子であれば、

保護して里親探しをすることがあるのですが、

その場合、血液検査をすることがほとんどです。

そして、猫白血病であるということがわかったら、

安楽死」という言葉を口にしたり、

白血病であるなら、また放しします。」

という人がいるそうです。

 

これは、まったく逆ではないかと私は思います。

病気であるということがわかったなら、

家の中に入れてあげて、

緩和ケアなどを含めた治療をしながら、

余生をおだやかに過ごさせてあげたい、と考えます。

 

それに、

白血病の猫ちゃんをまた外に放してしまったら、

他の猫たちに感染してしまう可能性が高くなります。

 

 

動物は自殺しません。

 

(歴史的に、海に向かって集団で走っていったネズミがいる

 という話は聞いたことがありますが、

 それは自殺なのかどうかは不明・・・。)

 

以前飼っていた犬は、

介護の末、およそ18歳で大往生しました。

その子は、

徐々に歩くのが遅くなり、

歩けなくなって寝たきりになり、

寝返りを打てなくなり・・・、

と、少しずつ弱っていきました。

しかし、

最後まで自分で起き上がろうとして

体を起こそうとしていました。

 

生命体は、生きるということしか

考えていないのだと思います。

 

それなのに、

死に至る病であることがはっきりとしている動物は、

簡単に「安楽死」が検討されているのです。

 

動物は自ら意思表示ができないので、

病気のときの対処については、

周囲の人間が考えてあげなければいけません。

 

そのとき、

「治らない病気か・・・、安楽死かな・・・」

と簡単に結び付けたくないです。

 

簡単に結び付けてしまう背景には、

弱い者は排除、という考え方がありそうです。

自分に利益をもたらさないもの、

生産性の低い者は、不要である

という考え方があるような気がします。

 

動物の殺処分なども、これにあたるのではないでしょうか。

 

動物と人間は、

また違う部分もあるでしょう。

 

しかし、考え方の根底にあるものは、

弱いものに対する、人間の認識だと思います。

 

弱い立場の生き物たちをどうみるのか。

 

弱い立場の人をどうみるのか。

 

この価値観をはっきりとさせていくことで、

解決への道筋が見えてくるのではないでしょうか。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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